<クリスマス企画 兼 『時の翼』外伝6>

      「 諏 倭 の 聖 誕 祭 」




さくさくさくさく。
馬の蹄の音をも飲み込む、降り積もった雪。
「今年は結構雪が多いな。」
「まったくです。しかしこれで雪解け水も増えますから、干害の心配はかなり減ったと見てもよろしいでしょう。」
「・・・そうだな。来年は米の出来が良いといいが。」
主従は白い息を吐きながら、駒を進める。
「奥方様はそろそろ産み月でございましたな。」
「あぁ・・・・もうすぐだ。」
ふっとその目が和む。
見た目は『でかく』て『怖そう』なこの主が、実はとても面倒見の良い、心優しい存在であると国の民は皆知っている。
そして、何よりも『家族』を大切に思っていることも。
「早く戻りましょう。若や姫もお待ちでしょうから。」
「あぁ。」
だからといって、ムチを当てるでもなく。
少し馬の腹を軽く蹴って。
それでも馬もその心を知ってか、少しだけ歩みを速めたのだった。


「あ!!」
彼方の黒い影を認めて。
それこそまろび出るように、小さな影が走ってきた。
「父上―――――――っ!!」
ちょうど馬から下りたばかりの父親に飛びついた。
「父上!!お帰りなさい!!」
「おぅ。鋼人たけとも元気にしていたか。」
「うん!!」
顔一杯に嬉しさをみなぎらせて。
少年――――――――鋼人は声を上げた。
「父上!!今度はいつまで居られるの?」
「あ?一応今年はもう終わりのはずだがな。」
「やったぁ!!」
まだ幼い少年にとって、父親と居られる事は、殊の外嬉しい事なのだろう。
ましてや。
『月の半分以上』を他所で過ごさねばならぬとあっては――――――――。
理子さとこはどうした。」
「理子?たぶん母上の所だと思うけど?」
「そうか。」
くしゃ、と頭を撫でて。
そのままひょい、と担ぎ上げる。
「また少し重くなったか?」
「うん!!どんどん大きくなるよ!!」
「俺を追い越すんじゃねぇぞ。」
「いつか追い抜いてやるー!!」
「あ〜、ムリムリ。」
「ムリじゃないー!!」
ポカポカと頭を叩く少年に笑ってみせて。
廊下を奥へと進んでいく。
やがて1つの部屋の前で止まり、『入るぞ。』と声をかけて、さらり、と障子を開けた。
「あ!父様ととさま!!お帰りなさい!!」
よく似た顔の少女が飛びついてきた。
少年と同じ髪、同じヒトミ。
「何をしていたんだ?」
母様かかさまと、折り紙!」
そこはいかにも女の子らしい遊びで。
「お帰りなさいませ。」
「おぅ。今帰った。」
柔らかな笑顔が自分に向けられる。
少年を下ろし、頭をくしゃ、と撫でて。
代わりに、今は光を映さぬ瞳をその腕の中に納める。
「身体に障りはないか?」
「順調だ、と診立てをいただいておりますから。」
もう産み月。
すっかり大きくなったお腹に手をやって。
「とにかく冷やしたりするなよ。丈夫な子を産んでくれ。」
「大丈夫ですよ。」
もう『2回目』だから心配ないでしょう?と。
「『2回目』だから心配なんだよ。」
お前は結構無頓着だからな、と。
ふわ、とした微笑は、何処となく不安を呼ぶ。
叶うなら。
このままずっと――――――――この腕に抱きとめておきたいものを。


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朝食が終わり、火鉢の側でゆっくりとくつろいでいた。
「お館様。」
障子の外で声がする。
「何だ。」
「白鷺城より急使でございます。」
ふっと眉根に皺を寄せる。
年内にはもう伺候しなくていいはずだ。
障子を開ければ、跪く初老の忍の姿が目に入る。
「何事か出来しゅったいしたのか。」
「は。多数の魔物を率いた刺客の侵攻とかで。・・・・ネコ様も攻めあぐねておいでとの事。」
「あいつが?」
帝の近習であるファイが出張るのも珍しいが、それよりも。
「ファイがてこずるとは、よほどの事なのですね。」
「お前は、『出る』なよ。」
先に機先を制しておく。
そうでなければ、たとえ産気づいていてもこの人は飛び出していきかねない。
ガシガシと頭をかく。
「・・・俺が行かなきゃいけねぇのか?」
昨日帰ってきたばかりなんだぞ、と。
ひょこ、ひょこ、と柱の影から覗く子供達の視線も痛い。
今は。
――――――――ここから離れたくないのに。


「これもお勤めでありましょう。・・・・『これ』をお持ちくださりませ。」
声と共に差し出されたものは。
「『銀竜』?・・・・必要なのか?」
それは、今や『家宝』として普段はこの館に置いている。
それが必要という事は――――――――。
「・・・・『結界』があるって事か。」
「ファイが攻めあぐねているのは、そのせいかと。」
「・・・・ふん・・・・・。」
『如何なる結界をも砕くチカラ』を有する『銀竜』。
それなくば砕けぬほどの強力な結界。
受け取り、代わりに腰の『蒼氷』を渡す。
「俺の代わりに護ってくれるだろう。」
そうは言っても。
「本音としては、ものすごく『行きたくねぇ』んだけど。」
「お・し・ご・と・ですから。」
「?!あ!!ちょっと待て――――――――っ!!」
抵抗する間もあらばこそ。
完全詠唱破棄であるが故に、逃げる事もかなわず。
黒き影は白い雪の中に消えた。
「・・母様・・・父様行っちゃったの・・・?」
「『宮仕え』というものは、こちらの都合など考えてはくれぬものです。」
「・・・・そう・・・・・。」
俯いたその頭をそっと抱き締めて。
「さあ、もう部屋に入って。冷えてしまいますよ。」
「・・・はい。」
小さな影は寄り添うように部屋の中に消えていく。
「母上も早く。風邪を引いたらいけないでしょう?」
「そうですね。」
ふと振り向いた彼方の空に――――――――何が見えるのか。
それでも『自分』が『動かない』のは。
――――――――『信頼している』が故と、黒き疾風かぜは解っているのだろうか?


―――――――――――――― * ―――――――――――――


足元を。
確たる存在を確かめて。
次の瞬間には駆け出していた。


「知世――――――――っ!!」


「何ですか、黒鋼、騒々しい。」
その愛らしい眉を顰めて主の姫は言う。
「てめぇっ!刺客如きの相手に、本当に『俺』が必要なんだろうな?!」
「来るなり何を文句を言っているのです。さっさとお行きなさい。」
「!!・・・覚えてろよっ!!」
今年はもう終わりだって言っただろうが!!と捨て台詞が流れてきて。
城詰の配下の者が慌てて用意した馬の手綱を取る。
黒鹿毛の駿馬で、黒鋼と実に相性がいい馬だ。
案内あないしろっ!!」
数騎を従える形で飛び出していった。
《 いつもの事だがな。 》
『龍玉』の、それは諦めか。
《 主に対する言葉遣い、未だに直らぬな。 》
「直す気なんざ無ぇよ!!」
これでは刺客も魔物も八つ当たりされるだろう、と言う予想はおそらく外れていまい。
ため息が流れて消える。
『龍玉』の、そして従者たちの。
――――――――本当にこの領主はいつまでも、『変わらない』。


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「いらっしゃーい♪」
「・・・・てめぇ・・・・・。」
満面の笑顔が出迎えたのは、不機嫌が最大レベルに増幅した上で服を着て歩いているような存在。
「何でてめぇが出張ってきてて埒あかねぇんだよ?!」
その高い魔力をもってすれば、大抵の敵は問題なく倒せるものを、と。
剣呑な目つきで睨まれても、それはただ白き魔術師ウィザードの上を滑って散るのみ。
「んー、『あれ』なんだよねー・・・・。」
指し示すほうを見れば。
何やらそこだけ『空気』が違うのがわかる。
「・・・・・・結界か?」
「んーまあそうだねー。いわゆる『防護シールド』なんだけどねー。」
「吹っ飛ばせねぇのかよ。」
「あたり全部巻き込んでいいのならできるけどね。」
さらり、と怖い事を言って。
少し横の方の遠くを指差す。
「あのあたり、国境なんだ。しかも集落があってね。・・・・巻き込むのはどうよ、ってトコ。」
「・・・ふん・・・・。」
道々従者の説明を聞いた所によれば、今ファイが対峙している『敵』の母国はもっと離れた所にある。
つまり、ここで国境を接している国は何の関係もない。
戦いに巻き込むのは、人道的にも、そして政治的にも絶対に避けねばならなかった。
「斬りゃあいいのか。」
それは、結界を、と。
「うん。中の術師のレベルはそんなに大した物じゃないんだ。ただシールド能力だけが突出していてね。」
「魔物は?」
ファイはにっこりと笑って。
「黒様に譲るよ。」
「・・・・てめぇ・・・・・。」
これで八つ当たりの相手は決まったと、そこに居る誰もが思った。


「さっさと片付けて俺ぁ帰るぞ。」
「あ〜そうかあ・・・もうそろそろだっけー?」
「・・解ってんならてめぇで何とかしやがれ。」
「いやーここはやっぱり黒様の活躍をと〜〜。」
「余計なお世話だ!!」


とても『諏倭の領主』と『帝の近習』の会話ではない。
当の本人は一切お構い無しの風情で。
スラ、と刀を抜刀する。
《 久しぶりの出番だな。 》
「しっかり働けよ、『龍玉』!!」
身体の周りに戦気が纏いつく。
一瞬で『気』は練り上げられた。


「破魔・竜王刃!!」


後に『あの集中度は稀に見るものだった』と『龍玉』が感嘆して言ったことには。
精神の同調は凄まじいレベルで瞬時にして行われ、その『チカラ』は今までにないほどの威力を発揮した。
術師を守る結界はもとより敵うべくもなく。
砕かれた空間壁を見遣って、ただ呆然と佇む姿が目に入った。
瞬間に飛び散り、そしてこちらに向かってきた魔物達は悉く白刃の煌きの中に倒れ。
上空に逃れ出たものは『昇竜閃』の格好の餌食となった。
「ひゅー♪黒様、かっこいいー♪♪」
「・・・・・帰るぞ!!」
そう言いながら、早や馬上の人となる。
「すぐにオレも帰るから、お城で待っててー。」
投げかけられた声に舌打ちしつつ、馬を走らせる。
実際。
術師を捕らえ、後始末をして『空間転移』をしてくるファイの方が早かったのだが。
「報告は終わりか?」
それさえ済めば、無罪放免だ。
「うん、終了〜。」
「大儀であった。黒鋼も忙しなかったな。」
「・・・こういう事態だからしょうがねぇよ。」
そう言いながら。
早くも外套の結び紐をかける。
「じゃあ俺は帰るぞ。」
「あ、黒様待ってよぉ〜。オレも行くよ〜。」
「はあ?!何でお前が?!」
「もちろん遊びに!!」
その満面の笑顔と、額に手を当てて突っ伏したのが見事な好対照となって。
「『遊びに』、ってなあ・・・・・。」
「一応邪魔はしないつもりー。」
「じゃあ子守でもやってろ。」
「ひのっ!!」
軽口を叩きつつ。
シュン!と魔法陣が展開した。
「じゃあ行ってきま〜〜す。」
「よしなに見舞うてくれ。」
「心得ました〜〜。」
声と共に、黒い影と白い影は消えていく。
「さて、出産祝いの品は何が良いかな?」
「やはり実用性のあるものの方が良いのでしょうねぇ??」
国を統べる姉妹は何処か楽しそうに、あれやこれやと品定めを始めたのだった。


―――――――――――――― * ―――――――――――――


「・・・・・・・・・・・ここは何処だ?」


思いっきり眉間の皺を深くして。
見渡すそこは、緑の平原。
「諏倭は今『冬』で『雪』が降ってるんだがなぁ?」
「ごっめ〜〜〜ん〜〜〜・・・ちょっとしたミス〜〜〜♪」
ため息をついて。
もう一度移動を、と促す。
にひゃら、と笑って。魔法陣は次の地へといざない――――――――。


「・・・てめぇ、『わざと』だな?!」


絶対に『確信犯』だと言い切れることには。
「何でこう何度も『違う所』に出るんだよ!!」
「え〜〜?ちょっとした座標軸の取り違え・・・・。」
「俺は、『帰りたい』んだ!!」
「はいは――――――い♪」
黒い影が、実は半泣きになりそうだなどとは、気付いても言ってはいけない事だった。


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半分以上キレかかって。
次の移動が終わる時、感じた風は『懐かしかった』。
(やっと帰ってこれたか?)
そう思った時――――――――。


「・・・?!うわっぷ!!!」


思いっきり顔面に。
雪玉がクリーンヒットした。
「あ・・・・・・?父上・・・・・・?!」
「父様・・・・?ネコ様も・・・・・?」
転送陣から出た先は。
「雪合戦のど真ん中に出てくるとは・・・・・。」
少し呆れたような声。
見れば、声の主は廊下に腰掛けてこちらを見遣り。
幼子らは雪玉を丸めて今まさに投げんとし。
対する側では、白い魔法生物が速射砲の如くに雪玉を投げているのだった。
「モコナ108の秘密技の1つ!『雪玉マシンガン』なの!!」
「やめやがれ!白まんじゅう!!」
さらに撃ちかかる雪玉をかいくぐって館側に退避した。
「ケリはついたの。」
「はーい♪黒様のおかげで万事オッケー♪」
「それは良かった。」
「こっちは良くねぇ。」
眉間の皺を深くして。
「何時からここに居る?!冷やしちゃいけねぇと何度も言ったろうが!!」
文句を並べ立てざまに抱き上げた肩は、冷たい。
しかもどこか辛そうなのを咄嗟に感じ取っていた。
「具合、悪いんじゃねぇのか?!」
「・・・いや、別に・・・・。」
大した事ではない、という言葉は紡がれることなく。
その身体はぐらり、と傾いだ。
「あ・・・おい!!」
「・・・う・・・・。」
顰められた眉。
その額に脂汗が浮かぶ。
「誰やある!医者を呼べ!!」
慌てて飛んできた侍女たちが部屋へ案内する。
そっと牀に横たえれば。
「?!」
ポタポタと水が落ちる。
「いけません!!どうぞお部屋からご退出を!!」
「な?何だ??」
「これは『破水』でございます!産気づかれたのでございます!!」
「――――――――え?!」
「ご・た・い・しゅ・つ・を!!」
年かさの侍女に背を押されるようにして、部屋から追い出されてしまった。
バタバタと産婆らしき女たちが駆け込んでいく。
呆然と、置いてきぼりを食らった形で立ちすくんでしまった。
「黒様〜〜とりあえず部屋で待ってようよ〜〜。」
ファイに声をかけられてようやく我に返る。
「あ・・・そうだな・・・・・。」
頭をぼりぼりと掻いて。
部屋に入り、火鉢の前に座った。
とはいえ。
気になる。
所在なさげに視線を彷徨わせる黒い影が何だかおかしい。
「まあこういう時は男は何も出来ないらしいから〜〜。」
「・・・わかってらぁ。」
子供たちも双六などを始めたが、心ここにあらず、といった感じだ。
実際には、それほど時が経ったわけでもない。
だが産婆や、蘇摩などに言わせれば、『2回目のお産にしては時間がかかりすぎた』のだという。
もし秒針を刻む時計が有ったなら。
コチコチという音がやけに大きく響いたことだろう。


「・・・ほえ・・・・ほえ・・・・・・。」


「?!」
「もしかして――――――――生まれた?!」
それにしては、声がか細い気もするが。
飛び出していきたい衝動をじりじりと堪える。
「失礼いたします。」
廊下で声がした。
「入れ。」
声に応じて障子を開けたのは、産婆だった。
「生まれたのか。」
「はい、お健やかな若君にございます。おめでとうございます。」
拝跪して報告する。子供たちの顔にぱあっと笑顔が広がった。
「弟なんだね?!」
「左様でございます。」
「元気?可愛い??」
「とてもお元気でいらっしゃいます。」
「・・・声が小さいように思ったが・・・・。」
「実は少々ご難産で・・・逆子でございましたので。」
眉を顰めた領主に、慌てて言葉を重ねる。
「でもとても大きくお育ちでございます。ご心配には及びませぬ。」
本当は『胎児が大きい』というのは出産時の負担が大きいのだが、黒鋼はそれを知らない。
「会えるか?」
「若君には。・・・奥方様にはたいそうお疲れのご様子ですので、お館様のみで。」
「んじゃ、会いに行こ?」
ファイの声掛けで、皆は腰を上げた。


********************************************


産屋うぶやは2つに仕切られていた。
そっと覗くと、手前には赤ん坊が寝かされている。
しーっ、しーっ、とお互いに唇に指を当て。
足音を忍ばせて部屋の中に入って、布団の中を覗き込んだ。


「ち・・・・小っさ・・・い・・・・・・。」


生まれたばかりの赤ん坊を見る機会が実は無かったので。
ただ驚きの目で、『弟』を見る。
「君たちは双子だったから、もっと小さかったよ?」
「え・・・え〜〜〜〜〜っ?!」
思わず上げた声に、ビクン!と赤ん坊が動いた。
バッと手で口を塞いで目だけをきょろきょろさせる。
パタ、パタ、と動く手に、そっと手を伸ばして――――――――。


「――――――――え?!」


ギュッと。
予想だにしない力で指を掴まれてしまって。
固まってしまった少年に、ファイはそっと笑いを零す。
「すごい力でしょう?」
「・・う・・・うん・・・・・。」
「赤ん坊はね。」
手助けして、そっと指を解放してやりながら言葉を継ぐ。
「この小さな掌に、『星』を掴んで生まれてくるんだって。」
「『星』・・・・・・。」
「今日はクリスマスだから、『ベツレヘムの星』だったりして♪」
首を傾げる子供たちに、『こっちの話ー♪』とごまかす。
「今日は『救世主』の誕生日でもあるんだ・・・・この子は諏倭の救世主になるのかもね。」
それが『予言』であったとは、ファイ自身ですら気づかない事ではあったのだが。



汗に濡れた髪は、冷たく頬にかかっている。
それをそっとかき上げると、静かに目を開けた。
「よくがんばったな。元気な男の子だ。・・・・ありがとう。」
微かに笑って。
布団から手を差し出してくる。
宙を彷徨うその手を、しっかりと握り締めた。
「少し難産だったそうだ。疲れただろう。・・・・ゆっくり休め。」
頷いて。
静かに目を閉じる。
聞こえてくるのは、火鉢にかけられたやかんの中で沸いた湯があげる湯気の音。


それが今。
神を讃える賛美歌ともなって。


ハレルヤの声が遠く微かに聞こえてくる。
今日はクリスマス。
聖なるかな、厩にれし救いの御子よ。
この諏倭の地に、恵みと救いこそあれ。



――――――――メリー・クリスマス。




外伝6を兼ねております、クリスマス企画の最終作です。

このネタは、チャットから。
「黒鋼って子供が生まれそうなときには絶対諏倭から出たがらない。」
「でもそういう時に限って知世姫が呼びつける。」
「『仕事だ』って言われて強制執行されて送られちゃう。」
「帰りはファイに送ってもらったら、遊ばれてとんでもない所に送られて半泣きになるとかww」
・・・・てな会話をそのまま入れました。(爆)


子供が生まれるときの描写は、数年前に友人が目の前でやってくれまして。^^;
こんなにのんびりしてなくて、救急車で病院に担ぎ込まれました。
実際結構ヤバかったらしいんですが。
でもその子も元気120%、来春幼稚園に入るそうです。(苦笑)


今回のクリスマス企画のテーマは『祈りとネガイ』そして『誕生』。
必然的にお嬢の描写が多くなりました。
『母になる』というのは、とても大変な事なのですよね・・・・・。
よくわかってないかもしれない人が一人居ますが。(大汗)


は〜〜〜25日中にUPできそうだ・・・・・。*o_ _)oバタッ


           作者・シュウ   2006.12.25UP

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