「今年は寒い、と思っていましたら・・・・。」
灰色の空、舞い落ちる白い雪。
「今年の冬は、きっと良い事がありますわ。」
お堀には、めったに飛来しない、白鳥が、1羽。
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白鷺城に『白鳥』が飛来する事は稀な事。
もっと北の地ではよく来ると聞きますが。
「諏倭には・・・湖に、よく来ていた。」
黒い影が、苦しそうだと思ったのは、間違いではないでしょう。
しんしんと降り積もる雪。
お堀の色は深い錆鼠色。
そこにぽつんと、白い色。
周りに染まるようで、でも染まらないで。
「貴方のようですわね。」
そう言い掛ければ、何の事だ?と訝しげな顔で。
貴方にはわからないでしょうね、自分の事は。
でも私には解ります。
貴方は、染まらない。
何処の色にも、何物にも。
貴方が目指すものが正しいかどうかは『未来』が証明するでしょう。
今は解らなくとも、いつか、きっと。
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何処にいても、白鳥は。
海の藍にも。
空の蒼にも。
冬の空気の中にも。
染まずに、独り。
黒き影の中に紅い瞳が染まりこまぬのと同じように。
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