「 白 鳥 」




「今年は寒い、と思っていましたら・・・・。」
灰色の空、舞い落ちる白い雪。
「今年の冬は、きっと良い事がありますわ。」
お堀には、めったに飛来しない、白鳥が、1羽。




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白鷺城に『白鳥』が飛来する事は稀な事。
もっと北の地ではよく来ると聞きますが。
「諏倭には・・・湖に、よく来ていた。」
黒い影が、苦しそうだと思ったのは、間違いではないでしょう。
しんしんと降り積もる雪。
お堀の色は深い錆鼠色。
そこにぽつんと、白い色。
周りに染まるようで、でも染まらないで。
「貴方のようですわね。」
そう言い掛ければ、何の事だ?と訝しげな顔で。
貴方にはわからないでしょうね、自分の事は。
でも私には解ります。
貴方は、染まらない。
何処の色にも、何物にも。
貴方が目指すものが正しいかどうかは『未来』が証明するでしょう。
今は解らなくとも、いつか、きっと。




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何処にいても、白鳥は。
海の藍にも。
空の蒼にも。
冬の空気の中にも。
染まずに、独り。

黒き影の中に紅い瞳が染まりこまぬのと同じように。

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白鳥は 哀しからずや 空の青 海のあをにも 染まずただよふ

お題を考えた過程は此処では伏せるとして(笑)お題を思いついた時に連想したのがこの短歌です。
若山牧水の有名な短歌ですね。教科書にも載っていたりするのでご存知の向きも多かろうかと思います。
視点の指定が『知世姫』だったので、姫の独り言になりました。
最初は、どこかに出征している姉・天照宛の手紙にしようかとも思ったんですが、面倒くさくなったんで(爆)。

白鳥の飛来地の南限が何処だったか失念したのですが、白鷺城を今の日本の岡山辺りと仮定しています。
諏倭(=長野)には来るだろうな、と。
だから白鷺城に白鳥が来たら瑞祥、みたいな感じで。

あんじぇ様、ありがとうございました!!

           作者・シュウ   2006.06.10UP

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