それは、とある街の、片隅で。
やがて冬将軍を迎えようとする風の中。
大切な人の『羽』を探す少年と。
その国の、見捨てられた存在であるところの少年が。
運命とも言える出会いをした、ある晴れた日の午後。
お前、『誰』だ?
「俺の名は小狼。・・君は?」
俺か。俺に、『名前』なんて、無い。
「え?」
俺は、『俺』だ。
「・・・そういう理屈もあるけど・・・。」
お前、『此処』で何してる?
「俺は、『羽』を探している。」
『羽』って何だ?そんなに価値のあるものか?
「『価値』なんて・・・・何物にも比べられない。」
何?比べられない『モノ』なんてあるのか?
「俺の・・・大切な人の『記憶』なんだ。」
大切な人、か。『その人』は、お前を大切に思ってくれてるのか?
「・・・・解らない。サクラは・・・俺のことを『覚えていない』から・・・・・。」
お前・・・・『辛い』な。
「大丈夫。・・・信じ続けたら、いつか願いは叶うから。」
・・・その『強さ』、何処から来る?
「さあ・・・・わからないなあ・・・・。」
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苦笑いに顔を伏せて。
もう一度上げれば、そこには。
「――――――――姫の『羽』?!」
『少年』は何処にも居ない。
(もしかしたら。)
あれは、『羽』が見せた幻影だったのだろうか。
だとしたら。
『羽』は、『何』を見せようとしたのか。
『何』を告げようとしたのか。
(解らない。)
だが、しかし。
『羽』は手に入った。
後はサクラの待つ宿に帰るだけ。
くるりと向きを変えた小狼の耳に、その『声』は、届かなかった――――――――。
お前が『信じるもの』は、『絶対不変』のものか?
お前の『望み』は、『叶う』のか?
――――――もし、『お前自身』が、『変わって』しまったら――――――?
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