今日、きれいな料紙で作られた1冊のノートを貰った。
書くのがもったいないような、きれいな紙だけど。
せっかくだから使ってみようと思う。
何に使おうかと散々考えて。
『日記』を書くことにした。
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○月×日 (雨)
今日の午後は天照様に呼ばれた。
「何か御用でしょうかー?」と聞いたら。
「これをやってみよ。」と言われた。
箱型の筒が立ててあって、上に飾りがついている。
指定された位置につくと扇を渡された。
「?」
「これは、『投扇興』という。」
「『投扇興』?」
「この扇を投げてな、その上につけた飾りを落とす。扇の開き具合や飾りの落ち方で優劣を決める。」
面白そう、と思った。
「――――――――――えい!!」
扇はものの見事に――――――――――的を外れた。
というよりは。
全然まともに飛ばない。
「ブーメランとは、要領が全然違うか・・・・・。」
当たり前のことを口にして。
浮揚力とか重力値とか、そんな事を一瞬思い浮かべはしたけれど。
「コツの問題だ。」
「じゃあ、やって見せてよ〜〜〜。」
言ってから、しまったと思った。
でも、扇を受け取って、この方向か?と尋ねて。
ひょい、と飛ばした。
「・・・有り得ないしー・・・・・。」
何で、こうも見事に的に当たるのか。
ものすごく、悔しくなった。
「絶対に・・・・勝つ!!」
自分の失態をごまかすように、そして半分本気で。
――――――――――オレは、宣言していた。
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色々なことを、色々な人に教わる。
全てが目新しい。
でも、ちょっといかがわしい話とか、危ない遊びとか。
およそマイナスといっていい物は、なぜか殆ど耳に入ってこない。
文献を紐解いて知ったりしたものは、別だけど。
その事を言ったら、知世姫に大笑いされた。
「だって、そのようなことを耳に入れたら、あの黒くてでっかい忍者が黙っていませんもの。」
余計なことを教えるんじゃねぇ!とか。
いらざる口出しするんじゃねぇ!とか。
「ねぇ、これって『過保護』だと思わない?」
昏き瞳に、そう問えば。
ふわり、と笑われた。
「この日本国に、少しでも心地よく在って欲しいというネガイなのだろう。」
見知らぬ国だから。
誰一人、寄る辺無い、身の上だから。
だから、せめて、美しいこの国に、心安らいで在って欲しい。
それは――――――――――護り手の、ネガイ。
キュ、と。
心が痛む。
『護られること』が、怖いなどと。
黒い疾風は知りもしまい。
罪深き、自分――――――――――。
それでも、なおも『護る』か、黒き疾風よ。
なれば。
(『護られて』あげるよ。)
それが、キミのネガイ、ならば。
『この人』とは違った意味で、キミに『護られて』あげる。
でも。
「オレも、キミを、そしてこの日本国を――――――――――『護る』よ。」
それは、自分に誓った、崇高なる『ネガイ』だから。
これだけは――――――――――譲らない。
そう、何処の誰にも。
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