<7676HIT記念 キリ番リクエスト小説>

   「 ツ バ サ が 見 る 『 ユ メ 』 」




ゴロゴロと近くで雷の音がする。
外はしのつく雨。
雷鳴が轟く度に、ふっと明かりも弱くなる。


「こんな日はやっぱり『怪談』――――――っ!!」


その台詞は前にも聞いたぞ、という忍者のツッコミ。
ムード満点だねぇ、という白き魔術師ウィザード
蝋燭が有ったりもするな、と時の魔女が言えば。
そこは早くも百物語の会場となる。


「・・・ある所に城でも重職にある者の屋敷があった。」
黒鋼がふと語りだした事には。
「その家には、何代か前の領主から拝領した見事な絵付きの皿が一組、家宝として伝わっていた。」
「領主様からいただいたんなら、そりゃあ家宝だねえ?」
「ま、めったにない誉れな事だったんだろうな。・・・・まあ正月とかの特別な時だけ使われていたそうだ。」
雷鳴が遠くで轟く。
「その皿は十枚で一組。大切に木箱に入れられていた。」
さぞ大事にされていた事だろう。
「あるとき上客があり、その皿が使われる事になった。・・・・その時に。」
ゴロゴロと。雷鳴は地を這って伝わってくる。
「その家のバカ息子が、弾みで1枚割ってしまった。」
ピカッ!と。稲妻が走った。
「息子は慌てて箱に戻して、そ知らぬ顔をした。そこへ、何も知らない女中の『お菊』がやってきた。」
「女中?」
「召使いみたいなもんだ。」
サクラの問いに簡潔に答えて。
腕組みをしたまま、黒鋼は淡々と話し続ける。
「お菊は箱を持って座敷にやってきた。主が使用前に検分するためだ。・・・・主が箱を開けたら。」
ピカッ!!
「割れちゃってる――――――っ!!」
「―――――――ひぃっ!!」
モコナの大声に、小狼とサクラは思わず飛び上がった。
「・・・・白まんじゅう・・・『何』が割れてる?」
「お煎餅。」
袋から取り出したのは、半分に割れている煎餅。
「ハイ、黒鋼にもあげる〜。」
「・・・・話の腰を折るんじゃねぇ。」
それでも口に放り込んで。咳払いを1つして、話を続けた。
「主は当然烈火のごとく怒り、その場でお菊を手討ちにした。・・・・つまり、ばっさりと斬り捨てた。」
質問を先に見越して修正する。ファイはモコナから煎餅を貰いながら苦笑した。
「・・・その夜から、怪しげな声が蔵の方から響くようになった。」
「蔵?」
「倉庫みたいなもんだ。大事な物はそこに保管する。・・・・響いてくるのは、明らかに若い女の声だった。」
ゴロゴロ、ゴロゴロ。
「主は怪しい者とて、刀を抜いて蔵に赴いた。・・そこで見たのは・・・・・。」
「1まーい、2まーい、3まーい・・・・・。」
くぐもった声。小狼とサクラは思わず手を握り合って腰を浮かせた。
「皿の数を数えているお菊の姿がそこにあった。そして9枚まで数えたら・・・・・。」
「・・・足りない・・・・・・・・。」
「といって、わっと泣き崩れた。主が声をかけたら、お菊は顔を上げて、ゆっくりと振り返った。」
「・・・・足りないの・・・・。」
「主を見上げた、その顔は、半ば崩れたような、鬼の形相をしていた。」

「めきょっ!!」

「わあぁぁ――――――っ!!」
「きゃあぁ――――――っ!!」
サクラと小狼は同時に悲鳴をあげて突っ伏した。
その肩に。
すうっと『冷たい』手が添えられた。
びくっとして、おそるおそる見上げれば。
「・・・・どうした?小狼?」
ピカッ!!!


「うわぁぁ―――――――――っ!!!!」


*******************************


コポコポと湯飲みに茶を注ぐ。
「お煎餅には熱い緑茶〜〜♪」
モコナがピョンピョン飛んでいる。
「・・まったく、『割れた』のも『数えてた』のも『煎餅』かよ。」
半ば呆れながら、それでも渡された湯飲みを受け取る。
「これ熱いよぉーお。」
「我慢する。」
「・・・・・はいー。」
それでもテーブルの上に置いたままだが。
「熱いのをゆっくり飲めば落ち着く。」
「・・・・・・はい・・・・・・・・。」
まだ心臓がバクバク言っている2人は、気もそぞろだ。
「このお煎餅、美味しーのー♪」
モコナが煎餅を配って回った。
「モコナー、足りないって言ってたのはどうするのー?」
煎餅の枚数が人数で割るには足りなかったのだ。
「んーリアンが1枚でいいって言うから、モコナと半分こにしたー♪」
モコナの手にも、煎餅が1枚。
熱い湯のみを抱え込むようにして、コク、と飲んだ。
(絶対に言えない。)
向こうでモコナと、この焼き具合がなかなか、などと評しあっている人を見ながら小狼は思った。
(雷で逆光になったりアンさんが、『幽霊』に見えただなんて、絶対に言えない・・・・!)
―――――――あの手は。
本当に『冷たかった』のだから。



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「7676HIT」をゲットしてくださった熊様に捧げるショートショートです。(南無南無番♪)

・・・・・・・・・・・・・・・・。( ̄▽ ̄;
実は所要時間1時間。一気書きでした。
というより、書き出したら止まらなくなった・・・・。
モコナが全然聞いてない所がミソ。

黒鋼が語ったのはいわゆる『番町皿屋敷』です。
皿が割れた経緯はちょっと違った気もしますが、お菊が手討ちになるのは同じだったと。
1まーい、2まーい、3まーい・・・・・。(笑)
煎餅を人数分けしていたモコナ。何でメキョッとなったんでしょうか(笑)
リアンの手が冷たかったのは・・・・実はスイカを冷やしに行っていたという裏設定が(爆)
どっちにしても黒鋼の話を聞いていないのには変わりなく。(ーー;)
ファイはこれくらいではビビらないと思います、エェ。
一度聞いてみたい、ファイの怪談。(ハンパな物ではないと推測)
リアンが参加するのは(天照と知世姫の怪談パーティーにww)実は外伝として書いていたりもします・・・・。^^;
未完ですが。(今のところ出す予定ナシですが^^;)
ちなみに忍軍も兵も、誰一人として逃げ出す事も出来なかった、というのがオチ。(どんな話だ、一体)


熊様、ありがとうございました!(楽しかったです!!)←・・・・・。

           作者・シュウ   2006.07.22UP

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