砕け散る氷は、オレの罪を映し出す。
選んでしまった、自分。
過ちを犯した、自分。
(見せないで。)
どれほど願っても、次々と過去が姿を見せる。
消そうとした魔力がぶれて使い物にならない。
動揺している。
これまでにないほど、気が散っている。
(オレとした事が。)
でも、これは現実。
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氷の中に、封ぜられたキオク。
氷が融ければ、外に飛び出していくのは解りきった事。
オレのキオク。
オレの過ち。
――――――――――オレの、罪。
「矛盾だらけじゃねぇか。」
第三者の、冷徹な目で見て初めてわかる、真実。
オレが気がつかなかったのは、いわゆる『刷り込み』のせいだろうか?
ぞっとする。
あの時、黒鋼が気づいてくれなかったら――――――――――。
オレはどうなっていたんだろう?
きっと気が狂っていただろう。
叫び声を上げ、周り全ての物を破壊しながら。
それで救われれば良し。
救われなければ?
過去など関係ないと。
『現在』こそが必要なのだと。
こんなに解りきっていて、しかも今まで小狼君やサクラちゃんにも言ってきたはずの言葉。
キオクの羽が飛び散ったサクラちゃん。
玖楼国に『現れる』までのキオクがない小狼君。
今積み重ねているこの時間こそが大切な『宝物』なのに。
自分でも十二分に解っているはずの事だったのに。
それが自分にも言えることだと、なぜ気がつかなかったのだろう。
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ファイが消えていく。
ようやく流れ始めた時間の中で。
ごめんね。
オレが勝手だったね。
眠らせてあげられなくてごめんね。
君に安らいでもらう事こそがオレの幸せ、オレの罪滅ぼしのはずだったのに。
それにすら気づかなかったオレは、本当に人間失格だ。
オレもいつかはそっちへ行く。
そんなに遠くない未来の話だけれど。
そうしたら、オレを思いっきり叱り飛ばしてね。
君は優しいから、口調は穏やかだろうけどね。
オレは今、やっと自由になれたよ。
今度こそ、一緒に行こうね。
『外の世界』へ。
『二人』で『一緒』に。
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