<時を想う7つのお題  〜ファイ篇〜>

  「 掴 み 取 る 現 在 」



オレはなぜ、ここに居る?
オレには生きる価値がある?
オレの罪は消えはしない。
そしてこれからも、消えることはない。
その上に石の塔を積むがごとくに、危うい罪が重ねられていく。

『いつかは崩れるね。』

解っている。
心のどこかでそれを期待している自分が居る。
それは自分を解放するため?
贖罪のつもり?

『そんなの、無理だよ。』

消えはしない、オレの業。

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穏やかな時間が流れていく。
「不思議だね。」
空を見上げて月に問うでもなしに語りかける。
この国の月は、清冽で。
そしてどこか、柔らかい光を投げかけている。
今まで見たどの月よりも、それはオレの中にするりと入ってくる。
責めはしない。
阿ることもない。
ただただ穏やかに、静かに包み込む。

「その方が、『痛く』はありませんか?」

改めて問われるまでもない。
声高に責められ、怒りをぶつけられ、石を投げられる方がどれほどにか気が楽だろう。
無言のかいなは、時に残酷なまでの痛みを与える針のむしろとなる。
それでも。
一切を洗い流すわけもない。
それでも。
魂までも闇の中に砕きとる事もない。
どう思うかは、どう感じるかは。
その時の心の持ちようによって決まる。

「オレは今、『前』を向こうと思っています。」
「良い事ですわ。誰よりも黒鋼が喜びましょう。」

別に黒鋼を喜ばせるためではないけれど。
結果的に『誰かが喜ぶ』事は、いいことかもしれない。
それほどにまで、気にかけていてくれたんだろう。
気づかなかったはずもないのに、気づかない振りをしていた、オレ。
「信じ続ければ、いつかきっと願いは叶う。・・・そうですよね?」
「えぇ。いつか、きっと。『願う』力は、とても大きなものですから。」

前を向く事。
チャンスの精の、前髪を掴む事。
オレは、今、手を伸ばす事を決めた。

――――――――――『未来』を掴む事を。



おや珍しくも前向きなファイさん(苦笑)。
ちょっと仕事で落ち込んだので、代わりに前向き思考になってもらいました。
物事何事もポジティブシンキングが肝要です?!

           作者・シュウ   2009.07.08UP

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