「今日もモコナ、絶好調なの――――――♪」
モコナの明るい声が響く。白まんじゅうはいつもだろ、というツッコミの声と、呼応して。
「黒鋼も絶好調なの――――――♪」
何がだ!という忍者の怒声はキャーキャー言う声にかき消される。
今日も今日とて。
『猫の目』の朝は、むしろ騒々しい。
『桜都国』はモダンなロマンティズムの世界。
黒鋼的には、むしろ日本国に近いようで。
小狼もどうやらなじんでいるし。
ファイは元から順応性が高い。
サクラは・・・とりあえず、一所懸命。
小さなエプロンをつけて、モコナは大張りきり。
ファイと一緒にクッキーの型を抜いてみたり。
紅茶のリーフをブレンドしてみたり。
もちろん味見も忘れずに。
穏やかな時間――――穏やか「すぎる」時間。
『何か』が違う、この世界。
違和感を感じないではないけれど。
でも今は、この『笑顔』を。
「見ていたいの――――――♪」
今日もまた。
サクラの優しい微笑みに癒されて。
「ワンコ2人もがんばるの――――!」
「ワンコじゃねぇっ!!」
そういって怒る所がそっくり『ワンコ』。
(黒鋼、気付いてない――――♪)
でもね。
心の中が、寂しいの。
黒鋼も。
小狼も。
ファイも。
あっためてあげたいの。
黒鋼と、ファイを。
2人があったかくなったら、小狼をあっためてくれるから。
「『二人』をあったかくしてあげるの―――――♪♪」
「何なんだよ!訳わかんねぇぞ!!」
猫の目、くるくる。
モコナの目、きらきら。
桜の舞い散る、穏やかな昼下がり。
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