「サ〜〜ク〜〜ラ〜〜〜♪」
「モコちゃん!・・・しーっ!しーっ!」
隠れてたのに。
こっそりこっそり動いてたのに。
モコちゃんに見つかっちゃった。
「・・・サクラ〜〜何してるの〜〜?」
「・・・あのね・・・お花を摘みに行くの・・・。」
口に指を当てて、そっと言葉を紡ぎだす。
あのね。
昨日とてもステキな花畑を見つけたの。
でもまだ午前中なのに、もう殆どの花が閉じていて。
聞いたら、夜明け前から朝露が消えるまでぐらいしか咲かないんだって。
だから、早起きしたの。
本当にステキな花だから、きっと皆もステキな気分になれると思うの。
「だから、モコちゃん、静かにしてて?」
「ん〜〜〜でも、もう駄目だと思うよ〜〜?」
「え?」
モコちゃんがちょいちょい、と指差すほうを見ると。
「・・・あ・・・・・。」
そこには、しっかり3人の顔。
ニコニコ顔のファイさん。
ちょっと呆れたような顔の黒鋼さん。
そして。
「一人歩きは駄目ですよ、姫。」
優しく微笑んでいるけど、ちょっと怒っている感じもする、小狼君。
「・・・ごめんなさい・・・・。」
「いいよ〜〜〜皆のためにがんばってくれようとしたんでしょ?」
くしゃりと頭を撫でてくれる。
ファイさんの手、あったかい。
「せっかくだから、皆で行こうよ。」
ファイさんの音頭取りで、結局皆で行く事になった。
黒鋼さんは相変わらず『面倒くせぇ・・・。』ってぼやいてたけど。
着いた所で、ちょうど日の出になった。
「わぁ・・・・・・!」
とてもきれいな、花畑。
色とりどりの花が咲き乱れて。
みんなの気配がとても柔らかくなった。
ファイさんも。
黒鋼さんも。
―――――そして、小狼君も。
「・・・・・。」
思い出せない。
小狼君のこと。
きっとどこかで出会ってる。
きっとどこかで話してる。
でも思い出せない。
飛び散った、私の『キオク』。
それを集めるために、どんな無茶でも厭わない。
苦しい。
そこまでしてもらえる、『自分』が。
そこまでしてくれる、『小狼君』が。
小狼君・・・・・。
貴方は、誰?
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