<一日を想う10のお題  〜サクラ篇〜>

  「早 朝 の 戯 れ」




「サ〜〜ク〜〜ラ〜〜〜♪」
「モコちゃん!・・・しーっ!しーっ!」
隠れてたのに。
こっそりこっそり動いてたのに。
モコちゃんに見つかっちゃった。
「・・・サクラ〜〜何してるの〜〜?」
「・・・あのね・・・お花を摘みに行くの・・・。」
口に指を当てて、そっと言葉を紡ぎだす。


あのね。
昨日とてもステキな花畑を見つけたの。
でもまだ午前中なのに、もう殆どの花が閉じていて。
聞いたら、夜明け前から朝露が消えるまでぐらいしか咲かないんだって。
だから、早起きしたの。
本当にステキな花だから、きっと皆もステキな気分になれると思うの。


「だから、モコちゃん、静かにしてて?」
「ん〜〜〜でも、もう駄目だと思うよ〜〜?」
「え?」
モコちゃんがちょいちょい、と指差すほうを見ると。
「・・・あ・・・・・。」
そこには、しっかり3人の顔。


ニコニコ顔のファイさん。
ちょっと呆れたような顔の黒鋼さん。
そして。
「一人歩きは駄目ですよ、姫。」
優しく微笑んでいるけど、ちょっと怒っている感じもする、小狼君。
「・・・ごめんなさい・・・・。」
「いいよ〜〜〜皆のためにがんばってくれようとしたんでしょ?」
くしゃりと頭を撫でてくれる。
ファイさんの手、あったかい。


「せっかくだから、皆で行こうよ。」


ファイさんの音頭取りで、結局皆で行く事になった。
黒鋼さんは相変わらず『面倒くせぇ・・・。』ってぼやいてたけど。
着いた所で、ちょうど日の出になった。


「わぁ・・・・・・!」


とてもきれいな、花畑。
色とりどりの花が咲き乱れて。
みんなの気配がとても柔らかくなった。


ファイさんも。
黒鋼さんも。
―――――そして、小狼君も。


「・・・・・。」
思い出せない。
小狼君のこと。


きっとどこかで出会ってる。
きっとどこかで話してる。
でも思い出せない。


飛び散った、私の『キオク』。
それを集めるために、どんな無茶でも厭わない。
苦しい。
そこまでしてもらえる、『自分』が。
そこまでしてくれる、『小狼君』が。


小狼君・・・・・。


貴方は、誰?

そして記憶は弾ける、と。(哀)
サクラの悩む想い。それは小狼の一途さ故に発生してくる物。
彼女自身がその答を見つけることは不可能かもしれませんが、何処かに希望があれば・・・。
そう願ってやみません。
幸せになって欲しいなあ・・・小僧と姫には。(笑)

           作者・シュウ   2006.04.06UP

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