正直に言って、眠い。
嫌いなんじゃない。
雪兎さんの声はとても優しくて、心の、そして魂の奥底に静かに染みとおるような気がする。
それはとても心地よくて。
語る内容を理解しようとしても、それを遮るかのように打ち寄せる、安らぎの波。
「サクラ姫。」
その声も、どこか遠い。
哲学とは?
世界・人生などの根本原理を追求する学問の事です。
元々は学問一般として自然を含む多くを対象としていましたが、次第にその対象領域が限定されていきました。
でも、知識の体系としての諸学の根底をなすという性格は失われることなく存在しています。
認識論・論理学・存在論・倫理学・美学。
それら全てを含んでいます。
また、各人の経験に基づく人生観や世界観、物事を統一的に把握する理念をも示します。
「そんな小難しい事いって、サクラが理解しているもんか。」
「そんなことないよ、桃矢。サクラ姫だって、ちゃんと理解しているよ。」
「じゃあこの舟漕いでる『怪獣』についてはどう説明するんだ?」
「ん、桃矢も良くやるよね?さすが兄妹。」
「・・・雪、言うようになったな?」
王位継承者として、学ばなければならない事は、本当に山積み。
しかしそれをことごとく邪魔する、昼下がりの優しさ。
「大丈夫、今は許されても、そのうち許されなくなるから。」
にっこり笑って言ったその言葉に、少し背筋を凍らせた『怪獣』の兄。
「俺はサクラに同情する事にする。」
「どうぞ。僕は君に同情しないから。」
流れる時間。
その存在。
偽りは、やがて真実となる。
それもまた―――――――絶対の理。
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