<君を想う5つのお題−一方通行編−  〜小狼篇〜>

  「 こころ、掴んで離さない 」



その微笑みは。

母に似て――――――――――いや、そっくりだった。

******************************

解っている。
顔が同じなだけ。
名前が同じなだけ。
(これが『魂を同じくする異世界の別人』?)
なんて・・・・そっくりなんだろう。
その髪も、瞳も、全てが。

「母さん・・・・。」

俺はもう帰れない。
二度と、父さんや母さんのところへは。
解っている。
これが対価だったのだから。
俺は探さなければならない。
さくらを救う方法を。
もしあの時、俺が手をとっていたら?
死の刻印は打たれずに済んだのだろうか。
(・・・それは、違う。)
『もし』はありえないけれどこれだけははっきりと解る。
あの時さくらの手をとっていたら、術が不完全になって大変な事になっていたはずだ。
さくらがどれほどのダメージを受けるか計り知れない。
もしかしたら、その場で死んでいたかもしれない――――――――。
(一番大変な事態だけは避けられたんだ。)
そう思おう。
そうでなければ、辛すぎるから。
そして信じよう。
必ず黒い刻印を解除する方法が見つかると。
俺は守らなければならない。
母さんにそっくりな、玖楼国の姫を。
そうすればきっと、遠い異世界にいる母さんをも守る事になるはずだ。
何処まで出来るかわからないけれど、これは俺が決めた事。
選んだ事。
俺の――――――――――道標。

            



普通『心を掴むもの』といったら美しいものとかそういった類いではないかと思うのですが。
ここは実像君の心を占める『守る(=救う)』に着目。
実像君はマザコンかーい、という声も多々聞かれますが(私もちょっと思ってる)
実像君には玖楼国のさくらに対して恋愛感情を持っているのかな?という疑問がずっとあります。
なのでここは実像君の目標というか、矜持というか、そんなものとして考えてみました。
当然その想いはさくらが持つ感情とは種類が違うので、『一方通行』です。

           作者・シュウ   2009.07.03UP

copyright ©2006-2009 時の翼 all rights reserved

inserted by FC2 system