春の雨は、どこか優しい。
しとしと、しとしと。
どれだけ濡れても、ずぶぬれにならない気がするのはなぜだろう。
しとしと、しとしと。
その日も静かに雨が降っていた。
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ふと窓から空を見た。
今は窓際の列であり、ちょうど視界を遮る木もない。
見上げた先には、鉛色の空が広がっていた。
鉛色、というには少し語弊があるように思う。
(『鉛色』って言ったら、暗いイメージだ。)
だが今自分が見ている空には、『暗さ』がないように思った。
てるてる坊主が似合うのは、どんな空?
あまりにも暗い空には似合わないのではないだろうか。
仮に似合ったとしてもその顔はシュンとした泣き顔だろう。
にっこり笑ったものならば、もっと空は明るくなければ。
もうすぐ止む、もうすぐ晴れる。
それを望んで、後押しをして。
そんな空こそが似つかわしい。
「何を見てるの?」
柔らかく問われれば。
「うん?あぁ、空だよ。そ・ら。」
と笑って答えるだろう。
「空には何があるの?」
と問われれば。
「明日は晴れるよ、って声が聞こえるんだ。」
といかにも信じきっているような口調で自信たっぷりに答えるだろう。
「すごいね。その自信は何処から?」
と少し呆れた色を含んで問われれば。
少し頭をかきつつ答えるだろう。
「だって、てるてる坊主が笑っているんだもの。」
明日は、きっと晴れるから。
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