< 和 風 な 3 0 の お 題 >

  「 天 女 の 羽 衣 」



ふうわり、と。
その姿が空に舞う。
重力など何処にもないがごとくに。
それを何時も見とれてしまうのは。
言い訳などはしないけど、でも。


その様は、天女の舞にも似て。


誰にも真似の出来ない、『魔法の紡ぎ方』。
呪文の詠唱破棄は日常茶飯事。
もし唱えたなら、その威力は、予想をはるかに凌駕する。
自分の『魔力』にある程度は自信を持っていたのだけれど。
それを根底から覆されるような。
価値観の『崩壊』と『構築』。
大自然の事象の全てが、その足元にひれ伏し、ことごとく従属する。
目の当たりに見たならば。
自分は。
――――――――何と『小さな』存在であることか。


「先生。」
少年は呼びかける。
「先生は、まるで『天女』ですね。」
「・・・・・・・・・何故、そう思う?」
「だって・・・・。」
少年は言葉を飲み込んだ。


とても人間離れして見えますから。


心の呟きを知ってか知らずか。
その夕闇色の瞳は、一途な目の少年を見据える。
メガネの奥で、優しげに煌くヒトミ。
しかしそこには、確固たる信念をも秘めて。
『彼』を『弟子』にしたのは、間違いではなかったと、改めて思う。
(あの『チカラ』の後継者として、彼ほどの者は居ないだろう。)
それが『彼』の人生を大きく変えるかも知れぬと解っていても。
伝えねばならない、あの『チカラ』。


どこかで、教会の鐘が遠く、鳴り響いた。


「・・・もうこんな時間なんですね。」
「時というものは、過ぎるのが早いものだ。」
「すぐ食事の用意をします。・・・今日のはちょっと自信作なんですよ。」
「そうか・・・・それは楽しみだな。」


他愛もない会話が。
失われるのはそう遠くない未来の、こと。


今は。
少年の瞳に。
夕闇色の瞳に。
時の大河の漣が、つかの間、映りゆくのみ。


それは――――――――。


遠い、遠い、過去の、追憶。


              




か・・・・書きにくい!!
何時の間にこんなに書きにくくなったのか、この人(=リアン)は。
『暗くないように、暗くないように・・・・』ってほとんど呪文のように^^; 唱えながら書いたんですが。
逆に呪いになってるのかも。(大汗)
ドツボだけは避けたつもりですが、エェ。

少年時代(=弟子時代)のクロウ=リードです。
陰険メガネじゃないのよ(笑)、この頃は。
しばらくして袂を分かつ二人ですが、この後何度か出会う事になります。
そのうちの1回のエピソードを、『お題』で書くか、『外伝』で書くか・・・・。
かなり悩んでいます。

おーい、こっちの世界に帰ってこーい。(誰とは言わないけど)

           作者・シュウ   2006.09.08UP

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