「日本国なら、他にも『異名』があるって、黒たん言ってたけどねえ。」
もうすぐ新月になる、半月を見て。
「『下弦の月』って言うんだってさ。」
手で弓を引く真似をする。
「こう引き絞った形で・・・って事だねえ。」
上空に浮かぶ『月』は、何だか寂しい色をして。
「セレス国で見た『月』とはまた趣きが・・・そう、全然違うよ、此処の『月』。」
それは、白き魔術師の独り言。
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とても不思議な色をした、その瞳が、オレを見ることは少ない。
主に見ているのは―――――――。
小狼君。
サクラちゃんは・・・あまり見てないね。
モコナは、よく見てる。
まだ『回復』してないしねぇ。
黒たんは・・・・割と見てるほう?
少なくとも、『オレ』を見るよりは、見てるよね。黒たんの方を。
何故なのか、ちょっと解らないけど。
ところでね。
一つだけ言えてる事があるんだよ。
気が付いてる?
たぶん、気が付いてないと思うけど。
次元の魔女さんが言ってたんだけどね。
貴女、以前魔女さんに言ったんでしょう?
「『人』に対する感情は時の彼方に置いて来た。」
でもね。
オレにはわかるんだよ。
時の彼方に置き去りになんかしていない。
貴女はちゃんと持ってる。
でも、それに気付いていないだけ。
オレは『隠そう』としてるけど、
貴女は『失った』と思い込んでる。
この差ってね。
結構、大きいよ。
それでも・・・・。
少しだけ、共通点。
その『心』を前面に押し出さないっていう点で。
オレ達、『同じ』レベルなんだよね。
『人』と関わっちゃいけない。
『人』が自分のせいで傷ついたりするのは、嫌。
同じだね、オレ達。
迷惑だと思ってる?
こんな事で仲間扱いされるのって。
でもね。
オレとしては・・・嬉しいよ。
ほんの、ちょっとだけだけどね・・・・。
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月の光に照らされて。
二人の魔術師が音も無く佇む。
光の衰えが、これからの未来を予感させる。
それは。
終焉の予感。
危険な色。
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