黒き疾風は銀の光を右手にして
大地に舞い降りる
夕闇色の眼差しは白き羽根を左手にして
天に舞う
大いなる
『チカラ』と共に
「・・・・てめぇには、たっぷりと『礼』をしなきゃならん所なんだがな。」
その口元の笑みは、変わらぬ色を。
「てめぇなんぞを斬ったりしたら、刀の錆だ。・・・・失せろ。」
そう言って、静かに首元に突きつけた切っ先を引いた。
もちろん、その目は睨みすえたままで。
「・・・・黒・・・鋼・・・さん・・・・。」
呆然と小狼が呟いた。
失ったと。
永遠に手が届かないと。
そう思った『人』が、『目の前』に居る。
少しだけ顔を向けて、黒鋼はニヤリ、と笑った。――――そう、『いつもの』笑みで。
「おっと。」
そろそろと逃げ出そうとしたカイルに、もう一度剣を突きつける。
「只では帰さねぇ。」
その目は、ますます凄みを帯びて。
「伝言だ。・・・てめぇの『親玉』に伝えろ。」
「な・・・・・何・・・・・。」
「『首洗って待っていやがれ』。そう伝えな。」
それだけ言うと、今度こそ、本当に構えを解いた。弾かれたようにカイルが走り出す。
走り去る、その先で、カイルは『異空間』に消えた。
「・・・・はぁ〜〜〜面倒くせぇ・・・・。」
頭をポリポリと掻きながら、黒鋼は懐から羽根を1枚取り出した。ひょい、と飛ばす。
「・・・おい。『こっち』は終わったぞ。」
《 ・・・了解した。・・・では、始めよう。 》
「・・・・!!リアンさん?!」
『羽根』から響いたその声は。
《 ・・・怪我が無くて何よりだ、小狼。 》
その『声』に『優しさ』を感じたのは気のせいだっただろうか。
「で?何をどうすりゃいいんだ?」
蒼氷を肩にしたまま、問う。
《 ・・・・右のほうに小さい小箱があるだろう。 》
「あぁ?・・・・・これか?」
《 ・・・そうだ。斬り捨てればいい。 》
す・・・と、蒼氷を構える。懐かしい、その姿。
カツン、という音と共に、小箱は両断されて落ちた。
「次は?」
《 ・・・階段を5段上がった、左の柱の所。 》
『羽根』が中継する声に従って、次々と『小箱』を破壊していく。
「・・・・・『羽』の封印解除・・・・。」
ファイが呆然と呟いた。
これは。
こんな封印の仕方をしていたとは。
『向かい合わせ』、『右』と『左』を対にして。
『向かい合わせ』、『表』と『裏』を対にして。
間違えないで、『右』と『左』を。
サクラが読み上げた、『絵本』のフレーズが脳裡に甦る。
「『封印』は『こちら』。その場所を『示す』のは『向こう』。しかも『表裏一体』になっているから『左右逆』。」
黒鋼が注釈を加える。
『封印解除のための小箱の位置』は、『向こう』では『左右が逆』になっているのだろう。
「『向こう』の図書館に『絵本』があってな。それは『こちら』には無いんだそうだ。」
何故なら、『解除方法』は。
「『魔力の無い街』に伝えられているからな。」
確かに、『封印』の側にはそれは置けまい。
「まるで『歌』みたいに書いてあったぜ。『小箱を破壊する順番』がな。」
間違えないで、『順番』を。
「その『順番』を間違うと、おじゃんだ。・・・しかも『条件付き』でな。」
黒鋼が、ファイの反応を楽しむかのようにニヤリと笑って言った。
間違えないで、『やり方』を。
間違えたら『国』が壊れるから。
間違えないで。
間違えないで。
「同時に動かなきゃいけないんだとよ。」
「・・・『何』が?」
「『魔力のある側』で『魔力の無い者』が、『魔力の無い側』で『魔力のある者』が、同時に、な。」
「・・・・マジ〜〜〜〜〜・・・?」
予想もしていなかった『方法』に、さすがのファイも突っ伏した。
―――――――――――――― * ―――――――――――――
「・・・何でもいいけどよ。」
少し怒ったように。
「まだあるのかよ?!」
いい加減飽きてきたらしい。ちまちまとやるのは確かに黒鋼の性に合ってはいまい。
《 ・・・文句を言うな。後2つだ。 》
『羽根』の向こうの声が『笑っている』ような気がしたのは。
大げさなため息を1つついて、次に指定された所へ行く。
「・・・・おい。」
目当てのものをじっと見て。
「こりゃあ、『斬った』ら、この辺のもの、全部『落ちる』が?」
見ているのは―――――シャンデリア。
《 ・・・『余計なもの』は落とすな。 》
「てめぇ・・・・。」
こめかみに怒気をにじませて。
「あとで覚えていやがれ!!」
《 ・・・心配するな。都合の悪い事は忘れる性質でな。 》
「!・・・くそったれが!!」
ブチ切れた黒鋼は、しかし的確に目当ての小箱だけを『突いた』。
最後の『小箱』を斬り捨てると、ユラリ、と空間が歪んだ。
「・・・めきょ!」
久しぶりに、モコナが『反応』した。歪んだ空間から現れたのは――――『羽』。
「・・・ほれ。」
ひょい、と取って、小狼に渡す。―――少しの、微笑みと共に。
「黒鋼さん・・・ありがとうございます。」
自分でも、何となく視界がぼやけるのがわかる。目をぱちぱちさせながら、サクラに向き直った。
「姫。」
「・・・・待って。」
『羽』が戻れば、『眠って』しまう。その前に。
「本当に・・・・黒鋼さん・・・なんですね・・・?」
「あぁ。」
「・・・良かった・・・・!」
あとは、声にならない。泣き出したサクラに、少し驚いたような顔をしていたが、ぽふ、と頭に手を置いた。
「・・・黒鋼ぇ〜〜〜〜!!」
モコナも飛びつく。
「心配したんだよ!!死んじゃったと思って、皆、皆、とっても悲しかったんだよ!!」
「あぁ・・・済まねぇな・・・。」
閉じられる前の、その瞳に、優しい光があったのを、ファイは見逃さなかった。
(本っ当に「照れ屋さん」だよね〜〜・・・。)
ファイをひょい、と見る。はっとして、へにゃっと笑って見せて。
「オレは信じてたよ〜〜〜?『黒様はこんな事ぐらいじゃ死なない』ってね〜〜〜。」
「どーだか。」
それは(お見通しだ。)とでも言っているような。
―――――――――――――― * ―――――――――――――
《 ・・・では『羽』も回収できたところで、そろそろ移動したいのだがな? 》
『羽根』の向こうの声に、現実に引き戻される。
「え?もう移動なんですか?」
《 ・・・何せ、こっちで『魔力』を使ったもんでね。 》
「・・・あ――――?もしかして、『ヤバい』?」
ファイが、ポン!と手を叩いて。
《 ・・・そう。そちらにももう手が回ると思う。 》
「!!・・・急がなきゃ!!」
もう待ってもいられない。『羽』が戻って眠ったサクラは黒鋼が肩に担ぐ。
慌ててホテルに戻り、バタバタと荷物をまとめた所で、部屋のドアをどんどん叩く音が聞こえた。
「!!」
もう追っ手が来た。
「リアンさん!早く来てください!!」
小狼が『羽根』に向かって叫ぶ。
『こちら』の警察には、本当に世話になった。
後ろ足で砂をかけるようなものであるのだが、しかし。
こんな所で『逮捕』されるのは如何なものかと。
《 ・・・ソエル。 》
少しの沈黙の後で、『羽根』から聞こえてきた声は。
《 ・・・今回はあなたが移動させなさい。 》
「!」
「・・・無理だよ!モコナ、まだ出来ないよ!!」
《 ・・・あなたは『だいぶ戻った』と言った。・・・大丈夫、出来るから。 》
「・・・でも・・・もし・・・バランス崩したら・・・・。」
《 ・・・『羽根』が補助をする。・・・今はそちらに回っている暇が惜しい。 》
それは、諭すように。そして、時間が無いのも事実。
「モコちゃん、行きましょう!」
「・・・サクラ・・・・。」
「『羽根』が助けてくれるんでしょ?だったら大丈夫!」
その『羽根』を手に持って、サクラはニッコリと笑った。
「絶対、大丈夫!」
モコナは皆を見た。しっかりと頷く顔、顔、顔。
「『絶対大丈夫』・・・『無敵の呪文』!!」
モコナも笑って。
懐かしい感覚が皆を包む。
それは、何時も異世界へと誘った、モコナの『次元移動』の風。
「は〜〜〜〜〜〜〜〜パクッ!!」
自らが出した魔法陣へと飛び込む―――――光と共に。
警官たちが踏み込んできた時、そこには静かな風が吹いているだけだった。
―――――――――――――― * ―――――――――――――
「着いたか。」
声がして。
皆ははっと振り返った。
そこはどうやら『庭』のような所であったらしく。
そこに在った木に凭れて、『その人』は居た。
「・・・リアンさん!!」
「とりあえず、皆無事だな。」
「おう。」
軽く応える。それに軽く、頷き返して。
(あれ?)
ファイは思わず瞠目した。
意外なほどに『接近』している二人に気付く。
―――――相容れないであろう、二人なのに。
小狼がきょろきょろと辺りを見渡した。
「・・・ここは?」
「この国の『宿』。『レントハウス』と言うそうだ。一軒家そのものが『宿』になっている。」
「へぇ・・・・って、あれ?」
小狼はふと疑問を感じた。
「先に着いた。」
疑問には先に答えて。先回りして、宿を手配しておいてくれたのだと知る。
その時。
ぐうぅ――――――きゅるるる〜〜〜・・・・・・・。
実に『盛大な』音が響き渡った。
「?!」
目をまん丸にした黒鋼の目に、映ったのは。
頭のてっぺんまで真っ赤になった小狼とサクラ。
頬を染めて、明後日の方向を向いたファイ。
小狼の頭の上で大きな耳がしおれたモコナ。
「モコナ、せつな〜〜〜〜〜〜い・・・・・。」
安心感からか、今までの食事状況の悪さからか。
今まで感じた事も無いような空腹感に見舞われた『こちら組』に、リアンは軽く、ため息をついて。
「―――――――入れば。」
先に立って歩く。中に誘って。
入ってすぐに、ダイニングキッチンがあった。
見れば、テーブルには―――――。
一人用の『土鍋』が並べられていた。
蓋を取ってみると。
「・・・お粥・・・?」
柔らかな湯気を立てるお粥が入っていた。ふんわりと優しい香りが漂う。
(そうか)
小狼は合点した。
今までの状態から考えると、たぶん猛烈な勢いで食べてしまうだろう。
でもそれは、胃腸に大変な負担をかけることになる。
此処は胃腸のためにも、消化の良いお粥などでしのぎ、順々に食事を戻さなくてはならない。
気遣いが、なんだか嬉しい。
お粥は作るのに時間がかかる。
『近しい未来しか見えない』のに、自分たちの為に。
感謝して。
小狼は一匙すくった。
味わった事の無い味だが、しかし。
とても、柔らかな心地になった。普段は猫舌のファイも、丁寧に口に運んでいる。
心が、満たされていくようで。
「・・・・リアン・・・・。」
モコナが『また』泣いていた。リアンが黙って小椀に取る。
「熱いから気をつけて。」
それだけ言って。
涙の理由を。
知っているのは―――――――リアンだけだったのだが。
「〜〜〜〜〜〜〜・・・・。」
ようやく、人心地ついて。
気が抜けきった『こちら組』を呆れたように見遣って。
黒鋼は、(何とかなんねぇのか、あれは?)とでもいうように指さした。
無理だろう、と言わんばかりの視線が返る。
盛大なため息をついて。
黒鋼は皆を隣の居間に追い立てた。
「ほれ、とっとと行きやがれ。」
「ふにゃあ・・・・・。」
脱力しきっているファイの姿は、やはり『ネコ』に近い。
小狼は居間を見渡した。
室内は、落ち着いた造りになっている。壁には大きな暖炉。
視線をたどって、説明が降る。
「夜は結構冷えるらしい。此処の暖炉から熱を各部屋に送って暖房する仕組みになっている。」
「じゃあ火は絶やせないんですか?」
「置き火にしておけば良いそうだ。」
ダイニングから温かい飲み物を持ってきた。順番に配る。
ファイとサクラにはミルクティー。
小狼とモコナにはレモンティー。
黒鋼にはコーヒーだった。
温かさが、ゆっくりと心と身体を解していく。
「でも・・・本当に良かったです。お二人が生きていて下さって。」
サクラの言葉は、本当に実感させられる事。
今の『こちら側』組の一番知りたいのは、とにかく
『何がどうなって』
『どうして二人が生きていて』
だった。
「・・・ってか、何で俺たちが『殺された』と解った?」
『向こう側』の情報は全くと言っていいほど入ってこないはずなのに。
当然と言えば当然の疑問だった。
「『夢』を見たんです。」
小狼の言葉に皆は頷いて。
「夢で・・・『二人』が『殺される』現場を見ました。だから・・・・。」
「・・・・って、『あれ』か?」
この問いかけは、リアンに。
「そうだろうな。」
と、自分もコーヒーを飲みながらリアンは答えた。
「え?」
『こちら側』メンバーには、何の事かわからない。
「俺たちも見てたんだよ・・・・『自分たちが殺される現場』をな。」
『羽根』が作り出した『幻』が『殺される』様を。
『敵』もまさかそれが『幻』なのだとは、露ほども思わなかったのだろう。
小狼たちも、口をあんぐりと開けている。
「ま、めったに見れないものではあるがな。」
それは、実に『奇妙な』体験ではあろうが。
「・・・でもね・・・『幻』がどうこう、っていうんじゃ無くて・・・・。」
どうしてもファイには。
「ずっと『違和感』があったんだよね・・・・あの『夢』。」
鳴り続けた、あの『警鐘』は。
「・・・・『気が付かなかった』のか?」
逆に質問されて。ファイとしては内心大いにあせる所となった。
「え?」
「ファイが『気が付かなかった』か・・・・。ちょっと意外だったな。」
「・・・確かに『意外』だな。いつもの『こいつ』にしちゃあ。」
「え?何?何の事??」
黒鋼の相槌に、ファイはうろたえた。それを尻目に、リアンは小狼に聞いた。
「『夢』で見たと言ったな?」
「はい。」
と、小狼。
「そこで『私たちがどうなったかを見た』と?」
「はい。」
「そうか。」
リアンは、『笑った』。
そう、初めて。
皆の反応が面白いかのように。
「・・・『私』は、『映らない』はずだが?」
・・・・・・・・・・・・・・・。
「あ―――――――――――――っ!!」
小狼は、『完全に』忘れていた事に気づいた。
ファイにいたっては、もうとめどなく落ち込んでいる。
サクラとモコナは、慰める事も出来ずに呆然とし。
黒鋼は、してやったり、と満足そうにニヤリと笑った。
「第一、私は『死んだ』ら、すぐに『転生』するのだ・・・何時までも『死体』が在るわけが無い。」
それが『追い討ち』と―――――意図しているのか否か。
「あれは、『敵』が皆の動揺を誘う為に、『実際に起こった情景』を『わざと見せた』夢だ。」
「・・・・・・・あぅぅ・・・・・・。」
「『映らない』はずの私が『映っている』時点で気付くべきなのだが?」
こんなに落ち込んだファイの姿は初めてだっただろう。
「私は『幻』は『見せよう』と思ったが、『自分自身』は『見せよう』とは露ほども思わなかったのでな。」
言っていることは、かなり『重い』事なのだが。
「それは例え『死んでも』変わらない。――――――永遠に、私は『見えない』ままだ。」
果てしなく奈落の底に落ちていくような気がする。それを見て、黒鋼は『楽しそうに』笑った。
「気持ちいいもんだな―――こういうのは?」
「・・・・黒たん・・・ひのい〜〜・・・・。」
ファイは本当に泣きそうになっていた。
―――――――――――――― * ―――――――――――――
「すいません。・・・とりあえず、『寝たい』んですけど。」
シュタッと挙手をして。
金髪の魔術師の目は『据わって』いる。
この劣勢と思考能力の低下は、やはり睡眠不足が主原因と判断する。
此処は、早期回復を目論む方が賢明だ。
「部屋は2階に6部屋。階段を上がって、廊下を挟んで3部屋ずつ。」
好きな部屋を取れ、と。
「どうする?」
ファイは小狼とサクラの方を振り向いた。
二人は顔を見合わせて。
階段を上がって右側の奥をサクラが望んだ。
必然的に、その隣が小狼。
「え〜〜〜と、オレは・・・・。」
「モコナ、リアンの隣!!」
へ?!と皆がモコナを見る。
「白まんじゅうのくせに、1部屋欲しいだと?!」
黒鋼の突っ込みに、モコナも頑張る。
「モコナだって一人のお部屋が欲しいの!」
そうじゃなくて、という次の言葉を飲み込んだ。
「・・・・。」
「どうせ余っているんだからいいのではないのか?」
そう言われてしまえば、それ以上は、無い。
結局、小狼の隣はファイ。左の列は、奥から黒鋼、モコナ、リアンになった。
「んじゃ〜〜寝ま〜〜す・・・・。」
サクラは早くも舟をこぎ始めている。それを支えるようにして階段の方へ一同が向かおうとした時。
ピンポ〜〜〜ン・・・・。
玄関のチャイムが鳴った。
先にいけ、と手で合図をして。
リアンが応対に出た。
ふと、皆の足が止まる。
玄関の方から、声が聞こえてきた。
「『レントハウスサービス』から参りました〜〜〜。『1週間毎の更新』、お願いいたしま〜〜す。」
「わざわざお出向きいただかなくても、こちらから伺うつもりでしたが。」
「いえいえ、お客様にご足労いただくなんてコトはいたしませんので〜〜。」
「・・・・『1週間』・・・・・?!」
小狼が呆然と呟く。
『先に着いた』とは言っていたが、『1週間』も?!
ファイと黒鋼は顔を見合わせた。
「・・・・・。」
「・・・・・。」
それは、(解っている。)という意味での沈黙。
黒鋼の眉間に皺が増え、ファイの顔が険しくなった。
「じゃあ、お願いしま〜す。皆さんの『お名前』と『国名』を。」
(へぇ。)
ファイは少し感心した。
此処では『年齢』は不問。
(そういうことか。)
国が違えば『暦』が違う。年齢は基準にならない、というわけだ。
リアンの声が滑る様に聞こえてくる。
「小狼、サクラ、『玖楼国』。黒鋼、『日本国』。ファイ=D=フローライト、『セレス国』。」
発音も正確。
「モコナ=ソエル=モドキ、『日本』。」
(これがモコナのフルネームなんだ。)
モコナのことを『ソエル』と呼んだ段階で見当はついていたのだが。
そして。
「最後に・・・私が。」
それは。
聞きたくても聞けなかった事。
知りたいと思った事。
風が。
そのさやけき調べを、刹那の瞬間、消した。
「リアン。・・・・・・『魔道宮』。」
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