< 和 風 な 3 0 の お 題 >

  「 下 弦 の 月 」

「日本国なら、他にも『異名』があるって、黒たん言ってたけどねえ。」
もうすぐ新月になる、半月を見て。
「『下弦の月』って言うんだってさ。」
手で弓を引く真似をする。
「こう引き絞った形で・・・って事だねえ。」
上空に浮かぶ『月』は、何だか寂しい色をして。
「セレス国で見た『月』とはまた趣きが・・・そう、全然違うよ、此処の『月』。」


それは、白き魔術師ウィザードの独り言。




―――――――――――――― * ―――――――――――――


とても不思議な色をした、その瞳が、オレを見ることは少ない。
主に見ているのは―――――――。
小狼君。
サクラちゃんは・・・あまり見てないね。
モコナは、よく見てる。
まだ『回復』してないしねぇ。
黒たんは・・・・割と見てるほう?
少なくとも、『オレ』を見るよりは、見てるよね。黒たんの方を。
何故なのか、ちょっと解らないけど。


ところでね。
一つだけ言えてる事があるんだよ。
気が付いてる?
たぶん、気が付いてないと思うけど。
次元の魔女さんが言ってたんだけどね。
貴女、以前魔女さんに言ったんでしょう?


「『人』に対する感情は時の彼方に置いて来た。」


でもね。
オレにはわかるんだよ。
時の彼方に置き去りになんかしていない。
貴女はちゃんと持ってる。
でも、それに気付いていないだけ。
オレは『隠そう』としてるけど、
貴女は『失った』と思い込んでる。
この差ってね。
結構、大きいよ。


それでも・・・・。


少しだけ、共通点。
その『心』を前面に押し出さないっていう点で。
オレ達、『同じ』レベルなんだよね。

『人』と関わっちゃいけない。

『人』が自分のせいで傷ついたりするのは、嫌。

同じだね、オレ達。
迷惑だと思ってる?
こんな事で仲間扱いされるのって。
でもね。
オレとしては・・・嬉しいよ。
ほんの、ちょっとだけだけどね・・・・。




―――――――――――――― * ―――――――――――――


月の光に照らされて。
二人の魔術師ウィザードが音も無く佇む。
光の衰えが、これからの未来を予感させる。
それは。


終焉の予感。
危険な色。

『外伝』兼『お題』、『下弦の月』です。
ファイさん視点です。何気に焼きもち?(笑)
ファイにとっても、リアンは『不可思議な』存在です。
彼なりの観察眼で見ていますが、多少色眼鏡で見ていることは否めませんね。
同じ穴の狢扱いしてますが、実際はとても警戒している。
下手したら、黒鋼以上の鋭さで、内面に踏み込まれてくる可能性を危惧しています。
実際やりそうだな(笑)
黒鋼とはまた違った、凄まじいツッコミがありそう。
それも、思いっきり魂そのものに肉薄するような。
彼女に『遠慮』の二文字は無さそうなので(爆)
相手が相手だけに、ファイさん的には幾重にもガードを張り巡らせておきたい所でしょうねぇ。

ファイさん、頑張れ!!(笑)

           作者・シュウ   2006.04.15UP

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