「 キ オ ク の カ ケ ラ 」




「あ、ここだよ。」


大きく手を振れば。
頭のてっぺんまで真っ赤になった少女が駆けてくる。
「あの・・・・えと・・・・お待たせ・・・しました・・・・?」
「ううん、俺も今来たところだから。」
返した微笑に、またさらに赤みが増す。


「ア〜〜ア、ほんとにもう・・・・。」
「茹蛸だよねえ〜。」
「まったく、『あんなの』の一体どこがいいんだか。」


桜の花びらが舞い散る川岸の。
対岸の桜の木の上で。
ぼやくのは、烏天狗と雨童女。




―――――――――――――― * ―――――――――――――



「桜餅作ったんだけど、食べられる?」
「は・・・はい!!」
まっかっかで、今にも熱で倒れそうな座敷童。
がさがさと持参した紙袋から丁寧に包んだ桜餅を取り出す。
「はい。口に合うといいんだけど。」
「・・い・・・いただきます!!」
ロボットのようにカクカクした動きで、受け取り、一口口に入れれば。
「・・・おいしい!!」
「よかった〜!」
ニコニコと水筒を取り出し、薄茶を点て始める。
そのうれしそうな顔が、本当は、見たくて。


今度の日曜、どこかで会えませんか?


猫娘に託けた伝言。
「・・・じゃあきっと桜がきれいだから、あの川の橋のそばで。」
返事がうれしくて。
舞い上がってしまっていた。
雨童女に呆れられたり。
烏天狗に文句を言われたり。
でも。


「あ・・・あの・・・・・・。」
「ん?何??」
「き・・・今日・・・・お誕生日・・・ですよね・・・・?」
そう言いながら差し出した、小さな包み。
「・・・俺に?」
「は・・・・はい!!」
包みの中には。


「いい匂い・・・・・。」


水仙の花のポプリ。
きっと作るのが難しいだろうに、その姿もまるで生き生きとしたままで。
その香りが、自分を清浄な気で満たしていくような。
「ありがとう。すごく、うれしい。」
座敷童の顔は、どこまで赤くなるのだろうか。




―――――――――――――― * ―――――――――――――



「こんなこと、今まで人に話したことないんだ。」
少し改まったような口調に、その顔を覗き込む。
「その・・・君なら・・・わかってくれそうな気がして・・・・・。」
しかしその目は、川面をただ見つめて。
「小学校のころ、ここで友達に出会った。その子は今日が命日だったんだ・・・。」
あの少年は、今は安らいだ光の世界にいるのだろうか。
「夢を見たんだ。」
忘れかけていたのを思い出したのは。
「1週間、同じ夢を見た・・・・でも友達の夢を見たら見なくなった。」
「・・そのお友達が、夢を祓ってくれたんでしょうか?」
それが『悪夢』であったなら、と。
しかし四月一日は首を横に振った。
「悪夢、じゃないと思う・・・・なんだかとても幸せそうな夢だったから・・・・。」
でも。
(何で見たのだろう?)
それがわからない。
「・・・どんな夢だったんですか?」
「・・・不思議な夢だったんだ・・・・・。」
ふと、空を振り仰ぐ。


「似てるんだ・・・・かつて、『あの店』に来た人たちに・・・・・。」


******************************************


声は、聞こえない。
だが、楽しそうな雰囲気はわかる。
幼い少女が、同じ年頃の少年の手を取り。
花冠を載せたり、くるくる回り踊ったり。
それは、それは、楽しそうに。
最初は戸惑っていたかのような少年も、だんだんと笑顔を見せていく。


何で知っている?
なぜこんな光景を夢に見る?
遠い『国』のことのはずなのに?
これほどに鮮明に、見えるのは?


それは、まるで自分が体験してきたことのように。


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お誕生日、おめでと〜♪ 四月一日&サクラ姫&CCSの桜ちゃん。
それと一応写し身君もかな。
エイプリルフールネタではありません、念のため。

うーん、これはですねえ。
ネタばれをかなり含んだ、自分なりの考察の結果なんですねー。
だから、ここにはリンクをあえて張らずにおきます。
ネタばれ上等、笑ってやるぜ!という寛大なお心の持ち主でありますならば(笑)
ブログの今日の日付の所にこそっとリンクが張ってありますのでそこからドゾ−。(小心者)

           作者・シュウ   2007.04.01UP

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