〜霽月の章〜
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さんざめく声。
緊張を包み隠すような。
それは――――――――『懐かしい』、感覚。
(・・・・・悪くねぇ。)
知らずと口の端が上がっていたと、後になってヘライのに突っ込まれた。
しかし、これは『慣れ親しんだ』空気。
思えば日本国では、毎日がこうだった。


飽きもせず襲い来る刺客。
こちらの都合など考えもせずに牙を向く魔物。


そのいずれに対しても、怯んだりした事はない。
俺は、いつも『勝って』きた。
――――――――そして、これからも。


「今日からこの二人も参戦する。黒鋼とファイだ。皆もよく教えてやってくれ。」


将軍らしきものの声に、皆の視線がこちらを向く。
(ふん。)
俺が『教わる事』など何もない。
強いて言えば、地形とか、敵の情報とか、そういった類のものくらいだ。
『戦い方』なんて聞く気にもなれない。
実際教えようとしてきた奴もいたが、手を振り払って拒否した。
憤慨したようだったが、そんなもの。
(戦場で目に物見せてやるさ。)
それだけの自信が、俺には――――――――ある。


「――――――――時間だ!!」


天空に浮かぶ『月の城』。
月が中天にかかるまでの間、我々を『招く』という不思議な城。
いずこからとも知れぬ、『阿修羅王』とやらに率いられた軍勢をも招いて、『戦わせる』。


――――――――何のために?


『月の城』を得たものは、如何なるネガイをも叶える事ができるという。
俺たちがいくら戦ったとて、ネガイを告げるのは王――――――――夜叉王なのだろうが。
俺たちの『目的』は明白だが、『月の城』の目的がわからない。


それも、また。


俺たちが突き止めなければならないものの1つなのかもしれなかった。




―――――――――――――― * ―――――――――――――



それは、次元移動の感じに似ていた。
思えば次元移動も、『場所』を移動するのだから、似ていても不思議ではない。
俺たちは『騎竜』に乗っている。
他の大勢の兵たちのほとんどが徒歩であることを鑑みれば、新参者にしては破格の待遇と言うべきか。
ユラリ、と眼前の景色が歪む。
そしてそれが形を成そうとしたとき。


眼前に『敵兵』が現れた。


『敵』を前にして怯むような、そんな肝は持ち合わせてはいない。
しかし此処はあまりにも未知の場所。
配置された場所がやや後方であった事もあって、まずは辺りを見渡した。


(此処が『月の城』か。)


意外と広いようにも思う。
峡谷のように切り立った崖、鋭く屹立する岩山。
全体に岩ばかりの、緑の無い世界。
殺伐とした戦場にこそ相応しいのかもしれない。


間近で喊声が上がった。


呆れた事に、此処ではいわゆる団体行動をとらない。
はっきり言って、『乱戦』だ。
もっと指揮系統が指南するのかと思ったが、そうではないようだ。
ただやみくもに。
戦い、戦って。
そして時が来れば元の世界に引き戻される。
(なんと愚かしい戦い方を。)
思わず鼻でせせら笑いたくなる。
日本国の忍軍や兵たちなら、到底考えられない事だ。


だったら。


「・・・好きにさせてもらうぜ。」


傍にいた小隊長らしき男に言い捨てて。
俺は騎竜の手綱を引いた。




―――――――――――――― * ―――――――――――――



悲鳴と怒号が渦を巻く。
縦横無尽に駆け回り、蒼氷を振るった。
殺しはしない。
殺せば『しゅ』がかかる。
こんな『つまらない』戦いで、力を削がれるのはゴメンだ。
膝を割り。
肩を割き。
向こう脛を払う。
相手の戦闘能力さえ削げばそれでいい。
もし文句をつける奴がいたら、笑ってやる。


「殺さねぇ方が楽しみが増えるからな。」


と。
どんな風に思われても構わない。
これが俺の生き方。
俺の進む道。
俺は――――――――。
(何処までも、血にまみれた修羅なのか。)
自ら問うても、答が出るわけではない。
そしてたとえ同じ問いを『こいつ』にしても。
金の髪に月光を弾き、ある意味悪目立ちしている「あいつ」は。
正に百発百中の腕前で持って、敵兵を薙ぎ倒していくのだった。


――――――――巧みに急所を外して。




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戦闘シーンって書きにくいなあ・・・・。^^;
さくさく切ってUPするって言ってたのは何処の誰だ、と自分で自分にツッコミを入れてますが。
考えてみたら、以前やってた三国志でも、戦闘シーンほとんど書いたことなかったんだった・・・・。
あんなに戦争ばっかりなのに。(苦笑)
あ〜〜〜日々精進〜〜〜。

               作者・シュウ    2007.01.05UP

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